コミュニケーションアプリ「ズーム」を使って障害者福祉や防災などの独自番組をリアルタイムでネット配信する「みらクルTV」(木谷正道代表)が4月11日にスタートした。
視覚障害者が担当する番組もある。
みらクルTVは、囲碁の普及などに取り組む木谷さん(72)らが「ズームは、情報発信の形と人のつながりを変え、コロナ収束後も役に立つ」と発足。名称には「未来が来る」などの意味を込めた。
配信は月曜を除く午前9時~午後8時半ごまで。
木谷さんの大学時代からの友人で元・宮城県知事の浅野史郎さんら30人余りが番組づくりに協力している。
番組の一つ「視覚障害者への囲碁入門講座」は、日本視覚障害者囲碁協会代表理事でアマ四段の柿島光晴さん(42、全盲)が担当。毎週木曜の午後7時半から1時間の配信だ。
メインは、囲碁を愛好する視覚障害者をゲストに招き、ズームを通して柿島さんと対局するコーナー。盤上の様子を動画で配信し、初心者にもわかるように、囲碁のルールや対局の状況を言葉で丁寧に説明する。ゲストは、対局中、柿島さんのアシスタントを務める囲碁の高段者や視聴者から3回までアドバイスを受けられる。
終局後、視聴者からも質問できる。
トークとピアノ弾き語り担当は大石亜矢子さん(44、全盲)だ。CDのリリースや学校での演奏活動に取り組む大石さんは、2人の子供の母親で盲導犬のユーザーでもある。
配信は、毎週土曜の午後2時半から1時間。自宅のキーボードで20曲ほどあるオリジナル曲や視聴者のリクエスト曲を演奏する。
ラジオ番組のような雰囲気を心がけているという柿島さんは、「トークも面白く、やみつきになる番組」とアピール。
大石さんは、視聴者のバースデーソングをつくったり、リクエスト曲の思い出を話してもらったりすることを考えているという。「くつろいでいただける時間になれば」と話す。
番組表やこれまでの番組内容は、ホームページ(http://miracletv.site/)で確かめられる。
視聴などの問い合わせは、koenado@googlegroups.comへ 【佐木理人】